中道

Tue, 04 Jun 2019 18:35:33 JST (1796d)
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(chuwdoh)
琴を弾くとき、弦が張りすぎていたら切れてしまい、緩みすぎていたら音が出ないので、弦を中ほどに張ってこそよい音色が出る。修行も同様にこの中道を心掛けなければならない。*1
両極端の否定。

苦楽中道*2

  • 苦しみのなかにも、楽しみのなかにも悟りはなく、苦楽の中道のなかに悟りはある

中道と中庸*3

  • 「中庸」とは、常識的な見解のこと。
    人生の諸問題に遭遇する過程で、世俗的な事柄に関しては中庸を守る。
  • 「中道」とは、正しい道のこと。
    「中道に入る」とは、「八正道に入る」ということと、ほぼ同義。

ものの見方における中道*4

  1. 白紙に戻せ
    • いったん白紙に戻して、素直な目で、真なる見方をする。
  2. 断上の中道(不常不断の中道)
    • 常ならず、断ならず。
    • 不常――六根を中心として発生している自我観は、死を境として失っていく。
    • 不断――人間は死んだら何もかもなくなってしまうような存在ではない。
    • 無我――「死んだらそこで消えてしまう」という意味ではない。
  3. 有無の中道(非有非無の中道――「空」の思想)
    • この世は仮の存在で、あの世は本当の存在。
    • 「川」は実在する。「川」をとって見せることはできない。
      とったものは、水でしかない。

外を責める心と内を責める心*5

  • 外を責める心:自分自身の苦しみや不幸というものを、他の人のせいやまわりのせいにしていく気持ち。
    • 憎しみや怒り、嫉妬、羨望、猜疑心など、常に他の人に対する攻撃の矢が放たれている状態。
  • 内を責める心:内に向かって、自分を責め苛む、自分自身を攻撃する心。
    自分自身が仏の子であるということを信じない結果として陥る。
    • 自己卑下をしたり、消極的であったり、常に他人の同情を引き、劣等感の虜となり、人間不信となり、人を避けて、不平不満や愚痴のなかで、世捨て人となって生きていく。
  • これらの、外を積極的に責める念いでもなく、自己卑下になっていたずらに精神的な自殺をなしていく傾向でもなく、この両極端を離れた境地が中道。

霊肉の調和*6

  • 人間は肉体や物質だけの世界に住んでおり、自分自身もそこに属するものであるという唯物論の見解。
  • 現世をいっさい否定して、この世を捨てることのみに汲々として、虚無主義、ニヒリズムに陥る。
  • 霊的なものの見方と物質的なものの見方との両極端な見方ではなく、霊肉をよく見据えながら、バランスをとって生きていく、色心不二の考え。
  • 色心不二とは、肉体と精神は不二一体であるということだが、肉体が滅びたら心も滅びるということではない。