仏教徒とキリスト教徒

Mon, 11 Dec 2023 18:58:55 JST (138d)
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1.仏教徒とキリスト教徒

  • 仏教やキリスト教について考えるのではなく、広くはない交際範囲から感じたそれぞれの信者の傾向性について考えてみる。
  • 現実には、仏教徒やキリスト教徒と言っても、宗派によってかなり多様性があると推察されるが、伝統宗教の信者ということでマクロ的な傾向性について考えてみる。

2.内向的と攻撃的

・仏教徒は内向的

伝統的な仏教徒は一般的に内向きであり、他宗教への攻撃性はなく、他宗教からの攻撃に弱い。

  • 典型的な仏教の伝来として、中国人がインドから苦労をして仏典などを入手し、日本人が中国から危険を冒して仏典などを入手している
    すなわち、仏教は、それを必要としている聖職者が苦労をして教えを乞うことによって伝来されている
  • 仏教徒は、仏教の教えを熱心に乞う者に対しては説教をするが、他宗教信者など教えを乞おうとしない者に対して仏教の話をする気もなく、苦手のようだ

・キリスト教徒は攻撃的

伝統的なキリスト教徒であっても、仏教徒に比べれば攻撃的である。

  • キリスト教が世界宗教になったのは、世界の各国民族宗教と対決(破壊)することによってキリスト教を伝道してきた歴史がある
  • キリスト教徒は、他宗教や他宗派を攻撃することに躊躇はしない
    日本人が欧米人と比較して、一般的にディベート力が弱いと言われるのは、宗教が関係しているのかもしれない

3.パターナリストとリベラリスト

・仏教徒はパターナリスト

  • 釈尊は、元王子であり、政治家や商人といった上流階級の人たちが主流となって教えが広められたので、下層階級への「慈悲」の思想が主体となっている。
  • 伝統的仏教徒は、聖職者と一般信者とに大きく分かれている。
    • 聖職者は苦労をして積極的に仏教を求める者であり、
      一般信者は聖職者から受動的に仏教を教えられたものである
      仏教聖職者は、教えを乞う者に対し一方的な説教はするが、他宗教など、仏教に懐疑的な者に対しての説教(ディベート)は得意ではない
    • 聖職者間では熱心な対話がなされているようだが、他宗派や新興宗教徒に対しても干渉しないように距離を置いているようだ

・キリスト教徒はリベラリスト

  • イエス・キリストは下層階級の出身であり、下層階級の人たちが中心となって広められたものなので、「隣人愛」の思想が主体となっている。
  • リベラルという言葉には、「自由」や「多様性」という意味合いを含んでいるようだが、現実のリベラリストには、なぜか「自由」や「多様性」がない不寛容な場合が多く、キリスト教徒の「自由」や「多様性」についても、この不寛容が保持されている
    • 他宗教・他宗派などに対して、「自由」や「多様性」を認めないなど

4.課題

・仏教徒の課題

仏教各宗派は、釈尊の教えを謙虚に正しく理解しようと努力しているのか

  • 仏教には、大量の経典があり、教義も論理的で難解であることが、長所であり短所でもある
    • 大量の経典があり難解なので、全ての教義を把握できず、経典ごとに分派が発生している
      なかには仏教の多様性をいいことに、キリスト教のような簡易な教義で信者数を拡大した宗派もある
    • 教義が論理的であるため、悪い意味での哲学的な思想と捉える聖職者が現われるなど、ややもすると宗教から離脱する傾向を保持している
    • 教義が難解であるため、一般信者に対する説教を放棄し、形式仏教に陥る傾向を保持している
  • 仏教徒には攻撃性がなく寛容性を保持しているため、他宗教から侵略され、滅亡するリスクを保持している

・キリスト教徒の課題

いわゆるキリスト教の教義は、イエス・キリストの教えからかなり逸脱していないか

  • キリスト教徒は、独善的で攻撃性が高いので、戦争を引き起こすリスクを常に保持している
  • キリスト教にはパターナルな教義はないので、政治においては中立であることが、長所であり、短所でもある
    • 与野党共に同じキリスト教徒であり得る長所があるが、政治的指針などは示されず、宗教とは別の新たな思想を必要とし、それが戦争などを引き起こしている
  • 古い民族宗教であるユダヤ教の経典を旧約聖書として取り込んでおり、仏教よりも新しい宗教であるにもかかわらず、古い宗教が内在しており、教義が複雑化している


(2023.11.15)