伝統宗教と新興宗教

Tue, 24 Oct 2023 22:21:50 JST (185d)
Top > z.管理者index > 2023 > 10.伝統宗教と新興宗教

1.伝統宗教・新興宗教とは

  • 伝統宗教と新興宗教について考えてみるが、ここでは、300年以上前から存在している宗教・宗派を伝統宗教と呼び、成立して300年を経過していない宗教・宗派を新興宗教と呼ぶことにする。
  • 300年の根拠は特にないが、伝統宗教というからには徳川家康を教祖とした江戸時代より長い必要があるだろう程度の理由である。

2.伝統宗教・新興宗教の特徴

  • 伝統宗教とは、300年以上の批判に耐えて存続している宗教・宗派なので、それなりの組織性や信頼性があるといえる。
    • それなりの信頼性があるといっても、邪教ではないという保証があるわけではない
    • 組織が完成されているので、保守的というか、守りの方針が主体となりがちである
  • 新興宗教は、まだ300年の批判に耐えていない宗教・宗派であり、玉石混合である。
    • 玉であっても現在進行形というか、未完成の宗教・宗派が一般的
    • これからの組織であり、必然的に組織拡大が主体となる攻めの組織

3.新興宗教のほとんどは伝統宗教をベースにしている?

  • 新興宗教が伝統宗教をベースにしている背景。
    • 教祖が立宗する(悟りを開く)前には、既存の伝統宗教の信者であるのが一般的
      無宗教だった者が突然悟りを開くということは考えにくい
    • 教祖が弟子に(悟りの内容を)説教する場合、「ゼロ」から説教するより、既存の宗教をベースにして説教するのが現実的
  • 伝統宗教も立宗当時の既存伝統宗教をベースにしている。
    • 伝統宗教をよりどころにしているからというだけで、新興宗教を伝統宗教の下に見るのは早計
    • 立宗当時の既存伝統宗教をベースにして説教をする関係上、既存伝統宗教との共通点については教義から欠落する場合があり、後年、教義から漏れているからというだけの理由で否定しようとする弟子などが現われる懸念がある

4.伝統宗教の問題点の傾向

伝統宗教の問題点としては、立宗当初から期間が経過しすぎていることがある。

  • 伝統宗教も、当初は新興宗教だった初心を忘れ、組織維持が目的化する懸念を保持している。
  • 教祖や教祖の直弟子の教えではなく、遺された経典などにすがるしかなく、その解釈を巡って分裂することもあったりする。
  • 教祖の教えがそれなりに伝えられたりしていたとしても、時代にそぐわなくなってきていたりし、素直に従おうとして、時代変化にそぐわない原理主義に陥ったりしてしまいがちである。
  • 結果として、自分たちに都合の良いように解釈して時代適合し、教祖の教えと乖離してしまう危険性を常に保持している。

5.新興宗教の問題点の傾向

新興宗教は、玉石混合や未完成であること自体が問題点としてある。
・玉石混合と言っても、ほとんどの石の中に、極まれに300年以上遺り続ける玉があるかもしれないというのが現実である。
・宗教教祖は超能力を持つのが一般的だが、超能力を持つからといって正しい宗教教祖とは限らない。

  • 超能力を持たない伝統宗教聖職者から敵視(嫉妬)される懸念もある
  • 超能力の保持や未完成組織(社会性の不足)などにより、カルト集団として排除される危険性を保持している

6.信者の課題

  • 伝統宗教信者
    • 当該伝統宗教は、時代に適合しているかを振り返って見直す必要がある
    • 当該伝統宗教にも新興宗教だった時期があったことを想像し、批判対象の新興宗教を鳥瞰する余裕が必要である
  • 新興新興宗教信者
    • 一般の詐欺集団などが宗教団体を名のっているだけの場合も多々あるので、当該新興宗教団体が真に「宗教団体」と言えるのかどうかを冷静に見極める必要がある
    • 伝統宗教を単に批判するのではなく、新興宗教は伝統宗教を尊重し、補完するという認識で両者を捉える必要がある

      (2023.10.24)